君の名は

小麦田の除草剤散布2日目です


なんとも嫌〜な空。天気予報には午後から傘マークが付いています。
ラウンドアップは吸着が早く、散布の1時間後くらいなら雨が降っても枯れてくれます。

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今の所は空を覆う雲は薄めです。
西に岐阜県の山、多度山が見えます。
多度山の形がはっきりと分かるうちは、まだ雨は大丈夫です。

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農道に乗用車が入って来ました

何かと思いきや、いつも稲刈りで籾運びをしてくれているお爺ちゃんが差し入れを持って来てくれたのです。
接骨院の帰りに通りかかったら、僕らがいたのでUターンして来たそうです。

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ありがてぇありがてぇ。
BIGサイズのBOSSブラック。僕の好物です。

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会社の近場の散布を終えて、数キロ南へ向かいます

朝から後輩が1台で除草剤散布をしています。
タイヤが細くクッションも悪いブームスプレイヤで長距離を自走するのは辛いです。
具体的に言うとお尻が痛くなります。

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昼休みには社長が

「まぁ雨が降るぞ!急がないかん」

と急かして来ました。楽観的な社長が珍しい。
今日で除草剤散布が終わらないのも面倒なので少し急ぎます。

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どういう訳か、麦田のド真ん中にスイカが生えていました

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小さい実もいくつか付いています。
こんな真ん中で、どこから種が紛れ込んだのか?

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この地区を先に散布していた後輩と合流して、最終の打ち合わせ。
希釈した農薬は使い切りが原則。
最終でタンク内の除草剤が空になるように散布しなくてはいけないのです。


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最後の圃場で、見慣れない草花を見つけました。
長く伸びたピンク色の花。

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なんだろう?この草花。見たところセロシアやケイトウに見えます。

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色々調べた結果、野生のセロシア『ノゲイトウ』
のようでした。

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にゅ〜っと伸びた可愛い花。枯らすのは忍びない思いです。



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最後の圃場で除草剤を使い切って、残りを後輩にバトンタッチ。
なんとか雨が降る前に終える事が出来ました。

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トコトコと再び自走して、5キロ離れた会社まで戻ります。
保ってくれ!おらのお尻!

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片付けを終え、少し余った時間で副社長の作業場を覗きに行きました。
先週に鉄筋棒を巻き込んで壊れたロータリーカルチの修理が行われていました。

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農繁期に1年後にしか使わない機械の修理に夢中になる師匠。
整備と修理がこの人の生き甲斐なのです。

これも、ある種理想の生き方のひとつ。

南風リスキーズ

今日は麦田の除草剤散布です

久々に夏の相棒、
イセキの常用管理機(ブームスプレイヤ)JKB23愛さいかで出動。
タンク容量630リットル。最大ブーム幅15mの頼もしい機械です。

今更解説・ブームスプレイヤ
ブームスプレイヤは、長いブームに農薬の出るノズルを付けた機械で、広い面積に均一に農薬散布をする際に使います。
稲作農業機械と言えば、トラクター・コンバイン・田植え機と思い浮かべると思いますが、ブームスプレイヤはその次に上げてもらいたい程に大規模農業に欠かせない機械です。

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湿田地帯に明渠(溝)を掘って作るこの地方の転作小麦は、刈り取り後は11月の播種まで除草剤で草管理します。

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刈り取り後に1回目、播種前に2回目の除草剤散布。
今日は、播種前の2回目の除草剤散布です。

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使うのはラウンドアップで、10aに100リットルです。
ここらの麦田1枚の平均面積は28〜30程度。
600リットルタンクのブームスプレイヤで2枚散布出来ます。

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水の供給は、トラックに載せた1トンタンクで行います。

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夏の様な暑さが続いたおかげで、麦田はカチカチ。
コンバインの刈りあとの凸凹を通るたびに、ブームがしゃくって肝を冷やします。

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ラウンドアップのように何でも枯らす除草剤の散布は非常に気を遣います。
少しの飛沫が付いただけで、ほとんどの作物はてきめんに枯れてしまうのです。
(雑草は丈夫なのでしっかり掛けないと刈れません)

また、何年も同じ除草剤を使っていると、その除草剤に強い雑草ばかりが蔓延るようになります。

この圃場は、ラウンドアップ等のグリホサート除草剤に強い帰化アサガオが増えてしまいました。

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午後からは、やや風が強くなって来ました

農薬散布、特に除草剤散布の大敵は風です。
隣の田んぼや他所の畑にラウンドアップが飛散したら、大変な事になります。

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風向きは珍しく南風。台風の近付いている影響でしょうか。
風上側が田んぼなら問題ありません。
圧力を絞ってゆっくり散布。

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風向きの兼ね合いで危険な圃場は、明日の朝1番に残しておきます。
最後の圃場でタンクが空っぽになるように調整して補給。

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タンクの薬を使い切って、帰路に着きました。
硬い地面を一日中スプレイヤで散布していたせいで、お尻が非常に痛くなりました。

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今週も明日から天気は下り坂と聞きます

除草剤散布は明日も1日がかりです。
雨はともかく、怖いのは風。暑い日には有り難いんですけどね。
やれ、雨が降って欲しい、晴れて欲しい、暖かくなって欲しい、涼しくなって欲しい。
我ながら、ワガママばっかり言ってる気がします。


何も言えなくて 夏空

地元の稲刈りから始まった月曜日


今日は社長号・副社長号・若社長号・タケトラ号の4台稼働します。
それぞれが地元の4地域に別れて稲刈り。

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このブログを読んでいる方には疑問に思っている方も多いと思います。

『こいつん所、ライスセンターどうなってんだ?』

実は我が社はライスセンターを所有していません。
地元の農協と、協力業者に完全委託しています。

当たり前解説・ライスセンター
稲刈りした籾はそのままでは食べられないのは勿論、商品にもなりません。
籾を選別・乾燥・籾摺りをして玄米にする必要があります。
それらの設備を備えた場所をライスセンターと呼びます。

愛知県西部には、様々な形体の稲作農家がいて
うちのようにライスセンターを持っていない稲作法人の他にも
  • 稲刈りとトラクター作業はするが田植えは外注する米農家
  • 外部からの籾を受け入れる前提のライスセンターを備えた米農家
  • 稲刈りだけを委託する米農家
等がいます。

コーヒーを飲みながら、籾運びの仲間達と今日の段取りを作戦会議します

まぁ実質ダベってるだけです

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もう9月も終わるとは思えない蒸し暑さ。
寒暖差がないおかげで朝露もなく、すぐに刈り始める事が出来ました。


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去年は出来が悪かった『あいちのかおり』
今年は流石に大丈夫だろうと思っていましたが、長梅雨とそこからの猛暑でイマイチな収量です。

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あいちのかおりは、ゆるく頭を垂れて、枕地は倒伏しているくらいじゃないと駄目です。
今年もピン立ち。あぁ〜刈りやすいなぁ〜がっかり。

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田んぼもカチカチに乾いて楽勝だと思ったら、この圃場は水路の水が染みてグチャグチャです。
なんでこの時期の水路に水があるんだ!?と疑問に思いますが、おそらく近くの蓮根農家さんが引いているのでしょう。
蓮根田は稲田と水が必要な時期がまったく異なるので、こういう事が起こります。

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湿田に強いと言われるイセキのJAPAN。
JAPANは確かに湿田に強いですが、湿田はJAPANに強くありません。
5t近いコンバインで曲がると、田んぼが穴だらけになります。

ちなみに、このコンバインHJ6123は

『Harvester・Japan 6条刈り 123馬力

という意味です。

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この端の放棄林の木は、流石に刈れません。
ノコギリで木を切らせて貰いました。

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午後からは、ライスセンターの籾受け入れ量が確定したので、搬入量を調整しながらの稲刈り。
残しておいた、時間のかかりそうな草の多い田んぼを刈ります。

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この圃場に生えているのはヒレタゴボウ
別名アメリカミズギンバイとも言って、水辺の雑草です。
日本の水田の環境とベストマッチして米農家を苦しめる恐ろしい外来種。
発生時期が他の雑草よりも遅く、気付いた頃には除草剤散布が不可能な時期になっているのです。

水田雑草にはそれぞれ、その雑草に有効な稲刈り方があります。
僕はヒレタゴボウの酷い圃場には、右側3条で刈ります。

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稲よりも背の高いヒレタゴボウは、左の刈り取りから刈ると、縦に脱穀機に入ってきて詰まります。
右の刈り取りを経由したヒレタゴボウは、縦になりにくいのです。

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しかしながら、そんなノウハウも、ズボラな水田管理のたまもの。
優れた機械は、湿田・倒伏・草等あらゆる悪条件でも稲刈りを可能にしました。
それに伴って僕ら大規模農家は、田んぼを悪条件にしない努力を怠るようになりました。

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蒸し蒸しといつまでも暑いままの1日でした。
早生の稲刈りをしている気分です。
「夏みたいな空してるよ」
と籾運びの仲間が言いました。

参るね、まったく。



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