ポジションレバー・シンドローム

九州を襲う台風の余波なのか

遠く離れた愛知県西部も、ザワつくような風が吹きます。

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麦田の溝掘り2日目。かなり難しい作業です

既存の溝、ギリギリまで寄って掘り直す必要があるのですが、寄り過ぎると溝を崩したり落ちたりします。
また掘っている最中は、右後ろが引っ張られている状態なので前輪がどんどん溝方向に落ちて行きます。

とにかく経験を積んで上達するより他ありません。

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ちょっと、カメラで撮影をしてみる事にしました。
自分の作業を撮影するのは、オペレーション上達にとても有効です。
何故なら、基本的に農機オペレーションと言うのは上手くても直接収量と関係ないので、美意識を維持し続けるのが困難なのです。
人に見せる前提で撮影をすると、集中力が極限まで高まって上達します。

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と言う訳で撮影をしてみるとーー

溝掘り機が過ぎた跡を

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大量のサギが追いかけてきます。

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駄目だ…サギしか入ってこない…。こりゃサギの動画だわ


そもそもアマサギ(頭が茶色いサギの1種)は群れで行動しますが、溝掘りには耕耘作業の3倍くらいの数が集まります。

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大量のサギが集まるのは、溝掘りは餌が豊富に得られるからです。
特に水の通った明渠には、蛙・小魚を始めとした、亀・小虫等様々な生き物が潜んでいます。
その溝をトラクターが轟音を立てて掘り返すので、びっくりして一斉に逃げていくのです。
サギからしたら、潜んでいる獲物を捕らえるよりも、逃げていく獲物を捕らえる方が遥かに簡単なのです。

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しかし、このジアス。なかなか僕に馴染んで来ません
僕らプロオペレーターは、どんなトラクターでも『普通』に乗れますが、『普通』じゃ足りないんです。
手足みたいに動かせないといけません。
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機械式のギアは、まぁ慣れて来ましたが

(副変速が2つあるのは意味不明)
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どうにもポジションレバーの座りが悪いのです。

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当たり前解説
ポジションレバーとは、トラクターの後ろに取り付けた作業機を上下させるレバーです。

我が社では、トラクターのポジションは全て手動で操作します。
自動耕深は一切使いません。
何故かというと、そもそも基本車速が速過ぎて自動耕深が追い付かないからです。
右手は常にポジションレバーに添えて、レバーを数ミリ単位で操作しています。

だからポジションレバーの座りが悪いと、酷く肩が凝ります

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12年前トラクターに乗り始めたばかりの頃は、ポジションレバーに力を込め過ぎて右手の小指が変形しました。

僕がこのジアスにまともに乗り出したのは昨日からで、まだ10時間目くらい。
機械と心を通わせるには、最低でも50時間は必要です。
気長に行こうか。

最後に溝掘り機を簡単に掃除して

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汚れた窓を高圧洗浄で洗って今日は終了です。

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久々に上達しがいのある難しい作業。
若社長が一生懸命助言をしてくれます。

少し待ってて若社長。必ず期待に応えます。








ジアス明渠止水

快晴の月曜日

若社長のジアス・セミクロで、地元の麦田にやって来ました。

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麦田の明渠の更新に来たのです。
『明渠の更新』と言うとカッコいいですが、早い話が溝掘りです。

このジアスは、我が社の溝掘り専用機です

「溝掘り専用でセミクロ・ジアス!?なんたる贅沢!」
と思われたら誤解です。
溝掘りは、我が社の中でも最重要な仕事なのです。

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愛知県西部の、1番西。
この地方は古くから一級河川の氾濫による水害に苦しめられた場所です。
平野に位置しながらも海抜が低く、湿田が広がっています。

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そんな地域での、田んぼの転作に欠かせないのが明渠(溝)です。
とにかくしっかり溝を刻んで排水をしないと、小麦も大豆も作れないのです。

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若社長は何年もかけて溝を更新し続けて、湿田を乾く麦・大豆田にしました。
このジアスも溝掘りだけの稼働で600時間を越えています。

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そして、今年から溝掘りの仕事を、僕に引き継ごうとしてるんですがーー

朝から溝掘り機が壊れました!

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よくあるカプラの接触不良でした。よし、今度こそと思ったら

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今度は違う場所が不具合
溝掘り機の張り出しシリンダーが動きません。
なんだよもー!そこら中ガタガタじゃないか!

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こうなっては手に負えません。
イセキに救援を要請します。馴染みの営業担当さんが駆けつけてくれました。

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あれやこれや調べて、断線を突き止めてくれました。
結線してもらって解決です。

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機械も直してもらったし、

俺達の戦いはこれからだ!

と意気込んだものの、溝掘りって難しいーー!!

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僕が、トラクター作業全般が上手いと思われたら誤解です

耕耘なら5000時間・代かきなら2000時間。単純に時間を費やした練度の高い作業しか自信を持っていません。
昨日今日初めて行った作業で完璧にこなせる程、農業オペレーターは簡単な仕事ではないのです。


跳ね返った泥で視界はゼロ。溝の仕上がりは勘が頼りです。

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昼休みに高圧洗浄で綺麗に流しておきます。
まあ、濡れた溝を1本掘ったらすぐに汚れますが。

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草に隠れた溝を、見極めながら掘り進みます。
なるほど、何にも見えない!

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チャンスに臆しては、トラクターオペレーターの名が廃ると言うものです。
少ない時間で技術の向上を願うなら、

常に最善の方法を考えながら、キンキンに集中力を高めて作業するしかありません

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予定では、あと2日溝掘りに没頭出来ます。
必ず何か成果を掴んで終わりたいものです。











農業メッセンジャー懐疑論

こうも暑い日は図書館に限ります

プールにテニスコートにサッカーグラウンドの併設している市の図書館は、今日も盛況。
少年サッカーの試合が行われているのか、駐車場も車でいっぱいです。

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午後3時の段階で気温は35℃。連日よりも2℃ほど涼しいです。
「35℃ならマシだなぁ」とか思ってしまうのが、そもそも異常事態。

35℃で少年サッカーとか大丈夫かしら?と心配にもなります。


図書館では、妻と娘が思い思いの本を手に取り読み始めます。
僕は、少し農業の本の棚をチェックします。

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この図書館は、平成の市町村合併寸前に各地で建てられた図書館の一つで、建物も比較的新しく良い場所なのですが

農業の本は今ひとつ

イデオロギーに満ちた、過激なタイトルの本が並んでいます。

『食糧操作』
『食の終焉』
『脱サラ農業で年商110億円』
『半農半Xという生き方』
『コメほど汚い世界はない』

なんだかなぁ…
一体これ、誰が読むのだろう…

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過激なタイトルで、とにかく手に取って貰わない事には話にならないのでしょう。
それにしたって、こういった本も時代遅れになりつつあるのかも知れません。
現に、並んでいる本は皆、2010年頃までの物がほとんどです。

内容は、流石に頭の良い人が書いたらしく的を射たものばかりですが、妙な横文字を連発して難解な文章に仕上げています。
いくつかの本を流し読みしましたが、どうにも入ってきません。

農業の事を書いているのに、土の匂いがしないのです

これならTwitterで、日本全国の農家の日常を覗いている方が遥かに勉強になります

YouTube等からこのブログをご覧になっている方はご存知ないかも知れません。
僕は、農業系Twitterの世界に身を置いている人間です。

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Twitterとはなんぞや?

と思われる方に一応説明します。

『ツイート(呟き)』をするSNSです。
自分が思っている事や、現在している事を各々が呟きます。
それをフォローしている人(フォロワー)が読むことが出来ます。


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これは、僕のTwitterの画面のスクリーンショットです。
北海道の野菜農家さんが堆肥を積んでいる頃、
岐阜の苺農家さんは苗の管理を、
九州の大学生の彼は麦わらロールを運んでいるのが分かります。

このTwitter、農業と相性が抜群なのです

僕は現在、九州から北海道までの米農家はもちろん、野菜農家や酪農家の方達をフォローしています。
それらの方々の農業の日常が、ツイートを通してリアルタイムで分かるのです。

同じ品目の作物でも、所変わればやり方も時期も千差万別。
また、何ヶ月もツイートを読み続けていく事で、各農家の持っているプライド、抱えている問題も浮き彫りになって来ます。
それは、本の文章とはまた違った生の声です。

家族で農業を営む人、新規就農に奔走する人、孤軍奮闘する人。
様々な農家の、膨大な数の生の声。
それらは単純に情報的な価値としても、とても貴重な物です。

また、TwitterというSNSは本来匿名性が高い物なのですが、農業Twitterに限っては匿名性は関係ありません。
上辺のプロフィールよりも『今何をしているか』の積み重ねで、その人の事が分かるからです。

ただ、このTwitterというツール、立場や農業者としての規模をそのまま持ち込めないのが難しい部分です

プロフィールに立派な肩書を書けば、そのままフォロワーさんに受け入れてもらえる訳ではないのです。

YouTubeからこのブログに来て下さった方。農業Twitterの世界も覗いていただくと面白いかも知れません。













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