2019年04月

君はAMラジオを聴かない

雨です!

地元を離れて、市街地の田んぼにやって来ました。

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雨でも耕耘します。
一度濡れた田んぼは、簡単には乾きません。
また、天候都合で待っても乾く保証もありません。
スケジュールも余裕がないのです。

僕ら稲作屋が天候を相手にした時、取れる対処は2つ

『諦めて、やめる』か

『諦めて、やる』か

です。

我が社はめっぽう『諦めて、やる』派です。


濡れた田んぼを耕耘するデメリットは
  • 田んぼが深くなり、湿田化が進む
  • 土が寄りやすく、代かきに苦労する
  • 代かきまで間があると、カリカリに乾いて代かきに苦労する
僅かなメリットは
  • 草や藁ゴミがよく入る
  • 圃場が柔らかいから燃費が良い
まぁデメリットの方が多いです。
これは仕方ない。


世間はGW!

ラジオは、去る平成をしのんで特番ばかりです。
僕は、トラクター作業のお供に、平日のAMラジオを聴くのを楽しみにしています。
特番の浮足立った雰囲気は好みません。

このTJV983、オーディオはラジオしか付いていませんが、AUX端子(イヤホン端子)の入力が付いています。

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この端子に、AmazonのFireタブレットを繋げて、AmazonMusicを楽しもうと思い立ちました。

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AmazonMusicで、ダウンロード可能な楽曲をいくつかダウンロードしておきました。
これでGWを乗り切ります。

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なんて便利な時代でしょう


しかしながら、雨で田んぼが水だらけ。

ちょっと仕上がりに不満です。
濡れ田には、PTOが回り過ぎています。

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以前のTJV75でのロータリーのエンジン回転1850では、このトラクターだと出力が高く感じます。

我が社は、自動耕深は使いません。
ポジションレバーの手応えと、トラクターの負荷の具合で作業機の深さを読むのです。

強過ぎる馬力は、深さを読むのの邪魔をします。


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1700回転に落としてみます。

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4.6キロで、PTOは600前後。

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まずまずな仕上がりです。ベチャベチャの圃場には、この回転で良いかも。

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今年は雨が少ないわりに、タイミング悪く田んぼを濡らしてくれました。
この地区の代かきは苦労しそうです。


市街地の田んぼは、川沿いの湿田とは異なる問題を抱えています。

周囲の開発による環境変化です。
田んぼを埋めたり建物を建てたりする事で、日照が減り、排水が悪くなります。
そういった田んぼは、長い年月をかけて確実に衰退していきます。
高重量化する農機が、それを加速させています。

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大きい農業機械と言うものは矛盾を孕んでいると僕は時々思います。

確かに1台で相当な面積の作業は可能ですが、管理はどうでしょう?
一人では管理しきれない面積の作業を、一人でやれてしまうんです。

高額な機械です。それだけの面積を作付けしないと、経営が成り立たないのです。
1番肝心な管理が、年々後手に回っています。

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これは単なる、農業サラリーマンの戯言。
明るい未来を信じて。








出会いは嵐の予感

お別れの時が来ました。

5年で3260時間を共に過ごした相棒、TJV75から、TJV983(ホイール)へ乗り換えです。

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この12年で、何台かのトラクターを乗り継いで来ました。

始めは、若社長のお下がりのTJ75。そのあとは元実演機のTJ75。

その次が写真のTJ85でした。TJ85は今ではサブ機として畦塗りや肥料散布に使われています。

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その次に乗ったのが、このTJV75でした。

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それまでのTJシリーズから一新した、TJVシリーズ。その初期型でした。
乗り始めの頃は不満ばかりが目立ちました。
  • それまでのTJよりも、燃費が3割悪くなった
  • 車体が大きく取り回しが悪くなった
  • アクセル・クラッチが電子制御で乗りにくい
  • 重量が上がり、圃場へのダメージが大きくなった
ですが使っていくにつれて、それらのマイナス面を上回る性能に気付かされました。
  • 車体が大きく作りの良いキャビンで、振動・騒音などが減り、格段に疲れにくくなった
  • 電子制御のアクセルで最適な回転数を自在に選べるので、結果、作業効率が上がった
  • 大きな車体で、2.4mのロータリーや4.5mのハローの作業での安定性が上がった

その機械が名作だったかどうかが分かるのは、いつでも別れの間際です。

次の相棒・TJV983ホイールは、どんなトラクターなのでしょう。

75の荷物を、983に積み替えます。

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大した荷物はありません。

  • 田んぼの地図のファイル
  • スマホ・カメラの充電器
  • テーブル代わりのコンパネ
  • ウイングハローのリモコン

あと、文庫本も入ってました。村上春樹の初期の名作。内容はほとんどありません。オサレな青年が、モテる話です。

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シートを60キロに調整し

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シートのビニールは、無慈悲に撤去

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と言うわけで、早速現場にやって来ました。

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まず、乗って真っ先に思ったのが
『うるさい』
ですね。DPF搭載なのでTJV75よりうるさいのは当然ですが、同じ983のセミクロよりうるさいのは何故なのか?
やや高音の『ヒョィィィィィィィィーー!!!』
という鳴くような音が、ちょっと嫌。

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あと

『排気ガスが臭い』

です。DPFの排気ガスの独特の香り。あまり好きじゃありません。

馬力は申し分ないです。セミクロと違って足回りに馬力を取られないので、力強いです。
稲刈りから1度目の耕起でも、2.4ロータリーで5キロ近く出せそう。

前進・後退は、ややモタつきます。これはパネルで調整します。

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以前のTJVに比べると、フロントがかなり重くなっていますね。
ウエイト無しで、どこでもウィリーせずに上がってこれます。


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あとは湿田で、どの程度動けるのか。
また、どの程度掘ってしまうのか。
代かきが始まるまで色々試してみます。


今までありがとうTJV75。

僕らはやっぱり、友達だったと思うよ。

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低接地圧も甘くない!

今日もTJV983セミクロを連れて、湿田の耕耘です。

写真の奥に見えるのは堤防です。
その向こうにすぐ、一級河川の木曽川があります。
仮にサブソイラをかけても、そこから水が湧いてきそうな場所です。

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『オニギリトラクターは低接地圧で圃場に優しい』
まぁ嘘ではないんですが、時と場合。圃場のコンディションとオペレーションによるなぁ、とも感じました。
今日で、このセミクロで耕耘するのも最後なので、いくつかのオペレーションを試してみました。

湿田で倍速ターンするとどうなるか?

倍速ターンは、僕の地域の大型トラクターオペレーターは、あまり使いません。
圃場が満足に乾く事が滅多にないのです。
軟弱な圃場で大型ホイールトラクターで倍速ターンすると、軸にした後輪の場所に大穴が空きます。
では、低接地圧なセミクロ983ならどうなるか?

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大惨事ですわ!!

大穴が空きました。ホイールより大分酷いです。
元々重いセミクロ。3シリーズでDPFを搭載して更に重くなりました。
前輪後輪、4点で均一に支えて低接地圧をキープしています。
1点に荷重のかかる倍速ターンは、オニギリの方がむしろ、湿田を荒らすようです。

倍速ターンで掘った穴は、その後の外周処理でも直りませんでした。

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次は、外周を回らず、前後のみで仕上げる耕耘

バックで淵まで下がり、耕耘しながら少しずつ隣に移行→再びバックして淵まで下がるを繰り返します。

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比較的に硬い、真ん中で切り返して反転。

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反転したら同じ様に斜めに移行しながら耕耘→バック→耕耘。

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これはそれなりにうまく行きました。

ですが、あまりに効率が悪いです。

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現状やはり、それなりの大きさの軟弱な圃場だったら、外周から耕耘するのがベターな方法でした。

TJV983セミクロの重量と取り回しでは、内周を耕耘するさいに曲がるだけでも後輪ブレーキが必至なので圃場を掘りますし、幅広の前輪で大きく土を押してしまいます。

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このTJV983セミクロは『湿田でもスタックしにくいトラクター』ですが、
必ずしも『ホイールよりも湿田に優しいトラクター』ではないと言えます。





君はイセキと信じるかい?

今日は強風の為こなせる作業がなく、休日になりました。

農繁期モードに入った僕には肩透かしを食らった気分ですが、せっかくの休日。
やりたい事はたっぷりあります。

まずは、撮り溜まった動画の編集作業!

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今年の耕耘作業も、いよいよ大詰めです。代かきに移行する前にいくつかのバリエーションをストックしておく必要があります。

今回、編集しようと思っているのは、3反田を普通に耕耘する正当動画。
邪道な耕耘の動画ばかりをYouTubeに投稿していたので、ここらでまともな耕耘の動画を上げておこうと言う算段です。

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プロジェクトのタイトルは、いつもかなりテキトーなのですが、こうやって見ると酷い!

この『普通』って奴が今回編集している動画です。

2台のカメラで、俯瞰で撮影した動画と

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左ステップに固定したカメラの動画を組み合わせて作ります。

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編集点を考慮しながら、ほとんどの作業を早送りに加工。
この動画はハウツー系ではないので、説明は要りません。

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と、編集していて思ったんですが

いくらなんでも、カラス多すぎじゃない?

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撮影した日はカラスが多くて、ツイッターでも

『カラスにガンガン追い立てられるトラクターの様子をご覧ください』


というツイートはしましたが、外から見るとこんなに大量だとは…

こうなるともう、オペレーションどころではありません。

これはカラスの動画です。

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カラスの群れがびっしり着いてくるので、本来映したかったトラクターのルート取りが霞んでしまいました。

あえなく、動画の趣旨を変更

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もう、これで行きます。台無し!!



僕はオニギリトラクターが好きなんだな

今日は、超湿田を耕耘です!

連れてきたのはTJV983セミクロ!

昨日もオニギリトラクターの話をしたのに、今日もオニギリ。

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TJV983は、3次排ガス規制をクリアする為にDPFを搭載した、TJVの3シリーズのトラクターです。
DPFに取られる馬力を見越して、前モデルのTJV95よりも3馬力足して98馬力あります。

ですが、ぶっちゃけDPFに取られる馬力は3馬力どころじゃないので、実質90馬力弱しかないと感じます。

まぁこれはオペレーターの乗った感触です。


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若社長の「この方が塗装が長持ちする」

という打算的なコダワリで、ブルーメタリックに塗られています。

「あんまり突飛な色にすると、下取りで不利だ」

とも言ってました。だからブルメタ。
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洗ったばかりのブルメタは格好いいです。

今日はこれからドロドロになる運命。


1枚目の田んぼは、周囲をレンコン田に囲まれています。

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幅広タイヤとクローラで接地面積を広くして、接地圧を下げているのがオニギリトラクター。
軟弱な圃場でも、ほとんど沈みません。

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ですがそれは、真っ直ぐ走ればの話です。

旋回の為にハンドルを回せば、ちゃんと掘られて、ちゃんと沈みます。
そもそも、セミクロはホイールよりも重いんです。

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それでもホイールのトラクターなら、とっくにスタックしてます。
流石オニギリ。

2枚目の圃場は、レンコン田と、花菖蒲のハウスに挟まれています。

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こんな田んぼでも請けた限りは、米を作らないといけません。

「悪い田んぼは、請けたモン負けだわ」

と社長は言います。いや、じゃあ請けないでよ!

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最高にスリリングだぜ!帰りたいぜ!

それでも、無理くり仕上げます。

道路を酷く汚すのがオニギリトラクターの弱点です。
住宅地の田んぼでは使えません。
僕が普段はホイールしか使わないのも、その為です。

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クローラの泥を落とす為に前後を繰り返して感じたのですが、前進バックに入れてから、トラクターが動き出すまでのタイムラグが気になりました。

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普段乗っているTJV75に比べると、ワンテンポ遅れます。
これが非常に気持ち悪い。

イセキの担当営業さんに電話すると、調整方法を教えてくれました。

まず、ハンドル下のチェックヒューズを外して

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キーをオンにすると、出荷サービスモードになる

『走行感度設定』を選んで

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リバース接続感度を、プラスに設定

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はぁ〜スゲーや。今はこんな風に調整出来るのね。

気を取り直して進みます。
手頃な3反田に撮影のチャンス。
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撮影後カメラを回収しに行くと、見物客がおりました。

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ちなみに動画はボツになりました。無念。


超湿田なのに超草が生える、納得出来ない田んぼ。

ようは、『欲しい時に水が入らず、いらない時に水が入る』田んぼです。
レンコンの周りの田んぼは、往々にしてこういう田んぼが多いです。

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今日の最後の圃場。

この圃場は、奥で旋回するとオニギリでもスタックするので、バック→耕耘→バック→耕耘を繰り返して仕上げます。

ホイールなら鬼門である湿田のバックも、オニギリは大得意です。

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大規模化によって、後手に回る管理。

厳しくなる一方の排ガス規制により、大型・高重量になっていく農業機械。

そんな農業機械による作業で、ダメージを受け続ける圃場。

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矛盾と不安を感じながらも、従業員である僕の切れるカードはあまりに少ないです。














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