2019年09月

何も言えなくて 夏空

地元の稲刈りから始まった月曜日


今日は社長号・副社長号・若社長号・タケトラ号の4台稼働します。
それぞれが地元の4地域に別れて稲刈り。

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このブログを読んでいる方には疑問に思っている方も多いと思います。

『こいつん所、ライスセンターどうなってんだ?』

実は我が社はライスセンターを所有していません。
地元の農協と、協力業者に完全委託しています。

当たり前解説・ライスセンター
稲刈りした籾はそのままでは食べられないのは勿論、商品にもなりません。
籾を選別・乾燥・籾摺りをして玄米にする必要があります。
それらの設備を備えた場所をライスセンターと呼びます。

愛知県西部には、様々な形体の稲作農家がいて
うちのようにライスセンターを持っていない稲作法人の他にも
  • 稲刈りとトラクター作業はするが田植えは外注する米農家
  • 外部からの籾を受け入れる前提のライスセンターを備えた米農家
  • 稲刈りだけを委託する米農家
等がいます。

コーヒーを飲みながら、籾運びの仲間達と今日の段取りを作戦会議します

まぁ実質ダベってるだけです

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もう9月も終わるとは思えない蒸し暑さ。
寒暖差がないおかげで朝露もなく、すぐに刈り始める事が出来ました。


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去年は出来が悪かった『あいちのかおり』
今年は流石に大丈夫だろうと思っていましたが、長梅雨とそこからの猛暑でイマイチな収量です。

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あいちのかおりは、ゆるく頭を垂れて、枕地は倒伏しているくらいじゃないと駄目です。
今年もピン立ち。あぁ〜刈りやすいなぁ〜がっかり。

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田んぼもカチカチに乾いて楽勝だと思ったら、この圃場は水路の水が染みてグチャグチャです。
なんでこの時期の水路に水があるんだ!?と疑問に思いますが、おそらく近くの蓮根農家さんが引いているのでしょう。
蓮根田は稲田と水が必要な時期がまったく異なるので、こういう事が起こります。

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湿田に強いと言われるイセキのJAPAN。
JAPANは確かに湿田に強いですが、湿田はJAPANに強くありません。
5t近いコンバインで曲がると、田んぼが穴だらけになります。

ちなみに、このコンバインHJ6123は

『Harvester・Japan 6条刈り 123馬力

という意味です。

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この端の放棄林の木は、流石に刈れません。
ノコギリで木を切らせて貰いました。

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午後からは、ライスセンターの籾受け入れ量が確定したので、搬入量を調整しながらの稲刈り。
残しておいた、時間のかかりそうな草の多い田んぼを刈ります。

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この圃場に生えているのはヒレタゴボウ
別名アメリカミズギンバイとも言って、水辺の雑草です。
日本の水田の環境とベストマッチして米農家を苦しめる恐ろしい外来種。
発生時期が他の雑草よりも遅く、気付いた頃には除草剤散布が不可能な時期になっているのです。

水田雑草にはそれぞれ、その雑草に有効な稲刈り方があります。
僕はヒレタゴボウの酷い圃場には、右側3条で刈ります。

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稲よりも背の高いヒレタゴボウは、左の刈り取りから刈ると、縦に脱穀機に入ってきて詰まります。
右の刈り取りを経由したヒレタゴボウは、縦になりにくいのです。

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しかしながら、そんなノウハウも、ズボラな水田管理のたまもの。
優れた機械は、湿田・倒伏・草等あらゆる悪条件でも稲刈りを可能にしました。
それに伴って僕ら大規模農家は、田んぼを悪条件にしない努力を怠るようになりました。

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蒸し蒸しといつまでも暑いままの1日でした。
早生の稲刈りをしている気分です。
「夏みたいな空してるよ」
と籾運びの仲間が言いました。

参るね、まったく。



ラストホリディ

今日は、稲刈り農繁期前の最後の決まった休みです

8月の終わりから『コシヒカリ』。9月半ばからは『あさひのゆめ』の刈り取りをしていました。
コシヒカリは5ha前後、あさひは20ha程度なので今まではボチボチの稲刈りで充分まかなえていました。

10月から刈り取りの始まる『あいちのかおり』は愛知県西部で最も栽培されている品種で我が社の稲刈りはここからが本番です。

稲刈り農繁期には定休日がなくなり天気都合のスケジュールになるので、家族で過ごせる休みは今日で最後でしょう。



朝8時から町内の公園で、消防団員選出のくじ引きがありました

僕の住む町内は、4年に1度消防団員の選出を行います。
選ばれた消防団員は2年間消防団に従事します。
消防団の資格者は18歳〜40歳の男性とのこと。

4年前も僕はクジを引いて免れました。
4年前は資格者は18歳〜35歳だったので

「4年後には僕も35歳だから、もう資格はなくなるな」

と安心しきっていたら、人口減少のせいであっさり40歳までになりました。
4年後には間違いなく45歳までになっているでしょう。

日曜の朝から、町内の公園に集まった浮かない顔の男性4人。
町内会長が用意したアミダくじにそれぞれが名前と線を書きます。
「くじで当たったら仕方ないッスよね?」
などと皆で苦笑いしながらアミダくじを開封し、僕は今回も消防団を免れました。

昼食にはサンドイッチを作りました

兵役を免れた開放感から、量を作り過ぎました。

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普段の夕食は妻が作ってくれますが、休日の昼食は基本的に僕の担当です。
これが農繁期で休めなくなると作れなくなるのが心苦しいです。

外から見たら農業者の僕も、妻から見ればただのサラリーマン。
7歳と3歳の子供のいる家庭で土日も父親が家にいないのは、妻の負担を大きくします。

そんな申し訳なさもあって、今日くらいは家族で楽しみたいと思っていましたが、くじ引きしたりプリキュアを見たり豚汁やサンドイッチを作っているうちに昼になってしまいました。

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午後からは、来週に控えた長女の誕生日のケーキを予約に行きました

長女は生クリームを好まないので、毎年アイスケーキを予約します。
アイスが安いシャトレーゼ!

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9月末なのに30℃越えの気温です。ついでにアイスを買って食べます。
子供達もここ最近は、虫歯予防で甘い物を制限しているので、すごい食いつきです。

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その足で近くのブックオフへ

ブックオフ!?農繁期前の最後の休みにブックオフ!?
これが、うちの家庭の限界なのでしょう。

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長女が買った本は、ワクワクお仕事ナビ
各お仕事の説明と、項目のチェックシートを記入するだけで自分に向いた職業が分かる本です。

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驚いたのはおおよその月収まで書かれている事です。
これがやたらとリアル。
運転士の給料が18万円〜と書いてあった時には泣きたくなりました。
女児と言っても、女性は女性。現実主義なんですね。

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チェックシートを元に、長女は何やら一生懸命書いています。

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夢が宇宙飛行士で、気になる職業が占い師!?

2位が獣医って…あんた動物苦手やろ……

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農繁期前の最後の日曜休みが、消防団員アミダくじブックオフのビミョーな本の話題で終わったのが痛恨の極みです。

さぁ今年の稲刈り農繁期はどんな事があるでしょう。
怪我なく事故なく、頑張るぞー!!

草の名前も知らなくて

子供も大人も楽しめる植物図鑑を買いました


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農業者が、百の姓なんて呼ばれたのも今は昔。
各作物、各分野の専業化が進んで、僕に至っては農機運転しか出来ません。
水田雑草ならまだしも、道行く草の名前もほとんど知らないのです。

見た目で、イネ科だナス科だマメ科だキク科だくらいは分かるんですが、細かい名前となるとお手上げです。

そこで、身近な植物の名前に詳しくなれば、仕事がもっと楽しく毎日が発見だらけになるだろうと考えました


小学館の図鑑シリーズ。
DVDも付いて2000円でお得です。中身も良い。

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始めの方にタンポポの見分け方。

外来種でセイヨウタンポポと在来種の日本のタンポポが載っています。
これは面白い。
セイヨウタンポポは『総ほう片』と呼ばれる部分が反り返っていますが、日本のタンポポは反り返っていません。
これは原産地であるヨーロッパで、ナメクジに花を食べられるのを防ぐ為に付いているそうです。

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緑肥でお馴染みのレンゲソウと、マメ科雑草のカラスノエンドウ。
同じく緑肥として使うヘアリーベッチは、レンゲよりもカラスノエンドウに良く似ています。

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大豆畑に生える、刈り取りで巻き込むと大豆を汚す困ったナス科の草。
アメリカイヌホウズキと言うんですね。

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ネコジャラシの正式な名前はエノコログサ
キンエノコロやアオキエノコロ等、いくつか種類があるそうです。

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『ひっつき虫』のひとつでもあるセンダングサ。
悪い雑草は、だいたいみんなキク科なんだ。

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同じくひっつき虫のひとつオナモミ
これもキク科だとは知りませんでした。

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秋の花粉症によく聞くブタクサ。
これは僕の地域では見ない草なんですよね。僕が見分けられてないだけかも知れません。

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いやいや、植物図鑑!めちゃくちゃ面白いです!

普段からよく目にしている草花が、実はこんな名前でこんな性質だとは!という驚きで満ちています。
知っているつもりの事を、僕は全然知リませんでした。
インターネットの煩雑な知識が溢れている昨今。
ローテクかつシンプルな紙の図鑑の価値は、ずっと変わらずに素晴らしいままでした。


見た目ほど強くないんだ農業機械

今日は、追肥したブロッコリー畑の土寄せです

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先行チームが畝間に追肥をしていくので、僕はロータリーカルチで株元に土を寄せます。

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調子よく土寄せをしていると突然
ゴカン!!という大きな音と衝撃がありました。

驚いてロータリーカルチを確認すると、1番右のロータリーに鉄筋棒が巻き付いていました。
どういう訳か畝間に鉄筋棒が埋まっていたのです。

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チェーンケースと爪に引っかかって、完全に組み付いています。
副社長の作業場へ駆け込みました。

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倍土を外して、サンダーで鉄筋棒を切断。
バールで曲げながら撤去しましたが、当然重症。
チェーンが切れているようで、このロータリーだけ回らなくなりました。

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「こりゃ直すの大ごとだぞ」

と副社長が言うものですから
動かない右のロータリーは諦めて、残りの3本のロータリーでとりあえず土寄せを終わらせる事にしました。
もう追肥チームが肥料を撒いてしまいました。残りの土寄せ面積は50aくらいなので何とかなるでしょう。

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これがまぁ、やってみるとなかなかのペースダウン。
今まで4本の畝間を土寄せしていたのが3本になったので当然です。

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無敵の機械のように思われがちな大型農機

実際はかなりナイーブです。

コンバインは、異物を巻き込むとあっという間に壊れます。

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鉄筋棒1本で、廃車レベルの壊滅的なダメージを与えます

鉄はもちろん、木の枝1本でも危険です。

以前、住宅の隣を稲刈りした時、住宅の人が剪定した枝を田んぼに捨てていて派手に壊れた事があります。
チェーンが外れて、ギアのコマが飛びました。

このブームスプレイヤのブーム(ノズルの付いた腕)なんかは、少しぶつけるだけで簡単に折れます。

これは見た目通りかも知れません。

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そういう意味ではトラクターは比較的丈夫な方ですが、担ぐ作業機は異物で良く壊れます

溝掘り機や畦塗り機は、衝撃が加わった時に真っ先に折れて、それ以上の破損を防ぐピンが付いています。

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異物の巻き込みで怖いのが、開閉式のハローです

ビニールハウスのマイカー線くらいなら問題ないのですが、工事屋が落としたり忘れて行ったワイヤーやチェーンを、開閉部をまたいで巻き込むと一瞬で全損します。

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そんな訳で、残りの土寄せにはとても神経質になりました。

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この畑にも異物が。大きな石。
ロータリーを壊す原因ナンバー1です。

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結局土寄せは3時過ぎまでかかりました。

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終了後は、修理の為に洗います。
随分洗ってなかったので、内側にへばりついた土が土壁のようになっていました。
なにぶん古い機械です。どこが汚れでどこがサビか分かりません。

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ロータリーカルチも今年はお役御免。
副社長が手すきの時に直すようです。

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帰宅途中にイセキのトラックが、僕の専用機HJ6123を引き上げて行きました。
昨日気付いた排燼ファンの異音は6123独自の故障で、クレーム対象との事でした。
晩成の稲刈りが始まるのが来週の半ば。
修理が間に合って欲しいです。

土・水・泥を相手にする農業機械は、常に故障と隣り合わせです。
働いて・壊れて・直してをひたすら繰り返すのが農機の一生。









負けっぱなしのビクトリーライス

今日は、直播田の稲刈りにやって来ました!

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直播とは、苗を田植えせずに、種籾を直接田んぼに播く農法です。

苗を使わないので田植え機も要らずに、田植えの農繁期よりも早い時期に行える低コストなコメ作り。

愛知県西部で盛んに行われているのは、
乾田直播の一種『不耕起V溝直播』です。

※今年の始めの画像です。
耕耘して鎮圧された乾田に播種を行います。

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鳥に食べられるのを防ぐ為に、忌避剤で着色された種籾と窒素オンリーの専用肥料。

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これをトラクターで担いだ播種機で播種します。

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V字に切られた溝に、種籾と肥料が入ります。

種籾が肥料と長期間触れるので、肥料は窒素のみ。
リン酸・カリが入ると種籾が腐ってしまうそうです。

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播種の後、種籾が発芽する寸前にラウンドアップと雑草発芽抑制の除草剤を散布します。

と、そんな省力極まる不耕起V溝直播ですが、弱点も多いです

  • 除草剤ありきの農法
  • 苗の移植ではないので分けつが少なく、収量が低い
  • 窒素しか入れないので、そのままでは地力が落ちる

そして、とにかく草が生えます!

通常の移植の稲作では、田植えまでに時期を分けて耕耘3回に代かき1回行うのに対して直播は、ひと時に播種まで行ってしまうのでどうしても草が多くなります。
また、基本的に乾く田んぼに播種するので水を切らしやすいのです。

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我が社は湿田地帯のオペレーター。それでも乾く圃場には転作小麦を作っています。
直播をしているのは、ほんの5ha程度です。
周りの田んぼも直播を行っている地域に合わせるようにして作っています。

ちょうど隣の直播圃場を、違う米農家さんが稲刈りしていました。

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何年もサーフロータリーの浅起こしだけの田んぼは、麦田よりもカチカチ。
2回も水稲除草剤を散布してるのに、乾き過ぎて草を枯らせませんでした。
10aで3000円の薬を2回です。農機も人件費もかかります。
これじゃコストカットになりゃしない。
収量も、年々下がって来ました。

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この地域も、会社から15km程の距離があります

今日もコンビニ弁当で休憩。
サラダも買ったんですが、ドレッシングを買い忘れました。
ドレッシングなしのサラダの千切りキャベツはモソモソで、虫になった気分でした。

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休憩中にコンバインのドアを開け放っておいたせいで、キャビンにカトンボが侵入。
稲刈り中にコイツが暴れると、軽くパニックになります。

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この田んぼでは、地主さんの長わら残し依頼。

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サクッと刈り終えた所で、反対方向から稲刈りをしている副社長から「自分の持ち場が終わったから帰る」と連絡がありました。

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僕も最後の圃場を刈り終えて、コンバインを掃除と注油です

注油中に脱穀機の後ろからの異音に気付きました。
次の稲刈りまで間があるので、また診て貰います。

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この地域の直播田は、うちも他所もあまり綺麗な田んぼが見受けられません。
省力・コストカット。
そんな魅力的な言葉と上手く付き合っていく強さを、僕らは持てるんでしょうか?

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タケトラそう

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