今日も隣町の集団営農の散布作業

昨日中断になった場所は、営農と農協で書類を作ってまた打ち合わせるそうです。

営農会長に
「昨日は大変でしたね。めちゃくちゃ疲れたでしょう?」
と言うと、営農会長は
「昨夜は疲れ過ぎて凄い眠れたわ〜」
と笑いました。

今日は昨日よりも大分狭い小麦田。
とはいえ全部で3ha程なので、苦労はしません。

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僕らの地方での転作小麦は、明渠(溝)が必要不可欠です。
小麦はもともと、水に弱い作物で湿気を嫌います。

田んぼで作る作物ではないのです

愛知県西部は広く海抜の低い湿田地帯。溝による徹底的な排水で転作小麦を可能にしています。
しかし、その溝のせいで圃場の作業効率は非常に落ちます。

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細長い圃場にも細かく10.5m毎に溝を切ってあります。
排水さえ上手く行けば、この営農の土質はとても肥保ちが良いので収量が採れます。

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午前中のうちに散布は終了。
営農会長達と喫茶店で早めの昼食を取りました。
60代の営農会長達とのとりとめのない会話の中で、年金の話になりました。

「個人年金はええぞ!個人年金に入った方がいい!おれは30代の時に会社に勧められて次々7000円の掛け金の個人年金を払ってたけど、今はそれが小遣いになってんだ」

個人年金を強く推されて、本気で加入を検討しました。
もう一人の営農役員さんは、
「営農の仕事をしてる時はええんだ。1日があっという間に終わるから。何にもない日は暇でなぁ〜」
とこぼしました。

耕耘・代かき・田植え・稲刈り・小麦作業を全面的に僕らに委託しているこの集団営農は、ほとんどの人が兼業農家でサラリーマン上がりです。
総面積40haで、営農組合員は50人以上。
そんな膨大な人数の土地を取りまとめる営農役員さんの仕事の大変さを想像すると頭が下がります。

午後からは地元の自社の小麦田の耕耘です

雨続きで緩かった圃場も、ようやく乾いて来ました。
この自社の麦田の除草剤散布は10月のうちに終えています。

一度耕耘して空気を含ませて、1日乾かしてから小麦播種です。

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7月以来の、TJV983でのトラクター作業です

なんて愛おしい機械でしょう。
広いキャビン。よく効くエアコン。ラジオにステレオ。
余裕のある馬力に、取り回しの良い操作性。

やっと!僕はやっとこの場所に帰ってきました!

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ネット上で『タケトラそう』と名乗って3年が経ちました。
『トラクターオペレーターのたけうちそう』という意味です。

愛知県西部の大規模稲作農家の多くは屋号に『〇〇トラクター』と付きます

元々は、稲作の機械作業を請け負う『賃耕屋』から発展していった農家で、お客の田んぼを代わりに耕すのが基本の仕事だからです。


広義の意味では農業者の僕も、厳密に言うならトラクターオペレーター。
百の仕事をすると言われる百姓とは真逆のアプローチ。
特に僕は農機運転しか出来ません。

僕は、秋の終わりから夏の始まりまでのほとんどの時間をトラクターで過ごします。

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長い長い残暑が急に過ぎ去ったかと思えば、冬の気配があたりに満ちて来ました。
ロータリーで掘り起こされた土の匂い。
これはトラクター仕事の匂いです。

何の運命のいたずらか

建築大工の4男坊の僕は、農業に携わる仕事に就きました。
僕は幼い頃から、自分には建築が向いていると信じていました。
高卒で入った看板職人を辞めてから、ほんの羽休めのつもりだったこの仕事にもう13年。

トラクターの気ままさに、心を奪われてしまいました。

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僕は特別に農業を愛している訳ではありません。
農業機械を愛している訳ではありません。

それでも、自分の携わった仕事。自分に力を貸してくれた機械の事は愛さずにはいられないのです。

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傾く西日。冷たい風。土の匂い。
冬が始まるなぁ。