農業機械

溝掘り畦塗りエトセトラ

出勤すると、若社長が暗い顔

分かっています。天気予報が変わったんです。
金曜日に突然雨の予報が付きました。

小麦の播種の為に耕耘した麦田は、播種前に雨が降るとグチャグチャになってしまい、当分播種が出来なくなります。

僕は昨日までで、金曜日に播種する分まで耕耘してしまいました。

若社長
「播種してない圃場、どれだけある?」

「4.5haありますね」

若社長
「1日に播種、どれだけ出来るっけ?」

「3.2haくらいですね。1.3haは播種前に雨に濡れますね」

若社長
「…うーん」


取り敢えず僕は、大豆あとの溝掘り

後輩の、播種機を担いだセミクロTJV983が走って行くのが見えました。
雨が降るまで精一杯に小麦播種をするようです。

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まぁ、ここらへんの田んぼはほとんど掘り直す必要もない圃場です。

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アサガオの多い場所では、ドリルにまでツルが巻き付いてしまいました。
やっぱり禄な草じゃないです。

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午後からは畦塗りの準備です。
TJ85の中耕倍土を外して、ヒッチを付けます。

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重たいなこんちくしょう!

誰か…誰かいないのか…!?いない…

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何とかヒッチを取り付けて、畦塗り機を担ぎます。

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通常は春先に畦塗りをする農家が多いですが、我が社は年内から畦塗りをしてしまいます

ほとんどの田んぼが湿田なので、乾いているうちに畦塗りを済ませておかなくてはいけないのです。
また、一度耕耘した圃場は轍が付いて畦際まで寄れなくなります。

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さて、慣らし運転がてら畦塗り。
もう3800時間のTJ85は、久しぶりに乗っても良く言う事を聞いてくれます。

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麦田の隣の畦は念入りに塗っておきます。
溝との高低差で、畦が決壊しやすいのです。


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1枚1本と塗るごとに勘を取り戻します。
うんうん、それなりの仕上がり。
すぐにモグラが穴を空けてくれますけど……

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地域全体に見て僕ら平野の大規模稲作は、中山間地のコメ農家よりも畦を大切に思っていない傾向が伺えます。

愛知県西部はほとんどの田んぼを大規模稲作農家が管理していて、畦畔の除草は、特別栽培米以外はほぼ除草剤散布です。
除草剤はてきめんに畦畔を溶かし、土手に穴を空けます。
しかしながら、膨大な面積を抱える大規模農家が畦畔除草剤に頼らずに稲作を行うのは不可能なのです。

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ここ数年は猛暑や水枯れでお米の収量がふるいません。

畦畔からの水漏れで、水稲除草剤散布も失敗続き。

水管理が、畦が大事なのは分かっているのに、稲に注力する時間が決定的に足りてないのを実感しています。

転作小麦も大事、野菜も大切。
でも、米!米が穫れない事には本末転倒です!
あぁどうしたら良いんだろ。

空にまいあがれ

今日も地元営農の麦田耕耘

金曜日までに12ha耕耘する目標。
昨日は4ha耕耘したので、残りは8haの筈なんですがーーー

まぁ〜この田んぼはひどい草。

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ある程度草を砕いて圃場を平らにしておかないと、播種が苦労します。
車速を落としたサーフロータリーで、2回耕耘で仕上げます。

作業料2倍請求したいですよ

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元営農会長が様子を見に来ました。
元会長は10年近く営農会長として働いて、今年になって会長を退きました。
今でも役員としてこの営農の用事で走り回っています。

元会長
「いや〜草だらけだったけど、綺麗になったなぁ〜」

「冗談じゃないですよ。2回耕耘すよ!こんな草だらけは、たまらんですよ!」

元会長
「いや〜おれ夏に入院しとってなぁ〜大腸癌の手術がなぁ〜」

「大腸癌やったんすか!?無理しとったらダメですよ」


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朝イチの草だらけ圃場に時間を取られてしまいました。
今度は農免道路沿いの30a圃場4連続。

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昨日からの目一杯のペースに疲れて来ました

おかしい…。トラクターの耕耘作業ってのは、もっとこうノンビリしていた筈です。

小麦が…転作が…僕らからゆったりした時期を奪ってしまった!
いや、まぁ『ゆったりした時期』=『儲からない時期』な訳で、有り難いことなんですけど。

10時にムリヤリ休憩

会社からコーヒーを持ってくるのも忘れて、近くに自販機もありません。
トラクターの中を色々探してみると、シート後ろに林檎の缶ジュースがありました。ヤッタネ。

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結局半日で1.8haの耕耘。
最初の圃場の2回耕耘が効きました。

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昼からは美しい空

相変わらず風は強く冷たいですが、キャビンで日差しを受けると非常に眠くなります。

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耕耘は順調に進むも、何度地図とにらめっこしても明日に終わる気がしません。
まぁ金曜日もあるし、天気だって分からないし、と自分に言い聞かせます。

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3時には、近くの直売所の自販機まで飲み物を買いに行きました。
直売所の隣の建物に、謎の郵便受け

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最後の圃場の耕耘を終えて、本日の耕耘面積は3.8ha。
3日で12ha耕耘する目標は、難しくなって来ました。

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風冷えの水曜日。
キャビンを降りて冷たい空気を吸い込みます。

頑張っても楽しても、簡単に1日は過ぎ去って行きます。
毎日を悔いなく悔いなく働いて、その先に何があるのか。

ゼロのままでいられたら

今日は地元営農の麦田耕耘です

昨夜は雨が降って心配しましたが、朝にはアスファルトも乾く程の風。
問題無く耕耘出来そうです。

営農の小麦田は全部で12ha。
「3日で終わるでしょ?」と若社長に言われているので、終わらせてみせますよ。
ようは1日4ha耕耘すれば良いんですわ。


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この地元営農の麦田は非常に草が多いです

小麦の収穫後の麦田は、除草剤で管理します。

8月と10月の計2回ラウンドアップを散布するのです。
ここの営農の麦田は1回目の除草剤が遅れて、草の背丈が高くなってしまったのです。

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この地元営農は、除草剤散布用にブームスプレイヤを所有していて、営農組合員さん達が自分で除草剤散布を行います。
しかし高齢化も相まって、営農作業には皆消極的。

ブームスプレイヤの散布作業にしても、プロオペレーターでない組合員さん達にはハードルが高く、作業がなかなか進みません。

集団の農地をひとまとめにして営農を行うのが、集団営農。
圃場を大きくして作業を効率的にしたり、僕らの様なプロに大規模に委託してコストを抑えるメリットがあります。

それでも、自分たちで行う出ごとも多く、やはり高齢化や担い手不足からは逃れられないのです。


お昼までで何とか2haの耕耘が終わりました

このペースで行けば5時までに4ha達成出来そうです。

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日差しを受けると、キャビン内部は暑くてたまりません。
降りてみると、なんて冷たく強い風。

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2時半までかけて1地区を終えました。
この時点で3ha。移動してあと1ha耕耘しないといけません。

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ここの30a2枚と40a1枚をで1ha。
ここを終えれば目標達成です。

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余裕だろうと思ってた3時にのんびりミカン食べていたら、終わった頃には4時50分。

あぁーー!急いで帰らないと!
我が社は、お米の農繁期以外は5時の定時退社です。
全員揃わないと解散にならないので、時間は死守しないと。


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5時近くなると、急速に暗くなって来ます。
風は更に強く冷たく。

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僕ら農業者は、毎日の空気で、空で、日差しで季節を感じます。
乾いた冬の風。
一体今まで、どこに隠れていたのでしょう、
令和元年もあと一月です。

豆の歌を聴け

今日は大豆刈りです!

残りの大豆は60a。
ここは、新しく切り替わる種の圃場。
愛知県西部で作られている転作大豆は『フクユタカ』
豆腐用の大豆です。
このフクユタカの新しい品種は、簡単に言うと熟すのが遅い品種です。
通常のフクユタカ大豆が収穫適期になっても、この品種は青いまま。
大豆の収穫期は、小麦の播種時期と被るので、それをズラす目的もあるようですがーーー

我が社のように大豆を刈った後の圃場に小麦を作る農家とは、すこぶる相性の悪い大豆です。
なんたって、大豆を刈らない事には小麦が播けないんですから。
その大豆を収穫する時期が遅いんじゃ、小麦の播種も遅れ込んでしまいます。


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土曜日使っていた1号機は脱穀機の調子が悪かったので、イセキから直ってきた2号機を使います。
クローラも新品。砕けたローラーも新しくなりました。
これなら大丈夫でしょう。

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駄目でした!

2番処理道が詰まりまくり。掃除口でパンクしてます。

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見ると、やっぱり豆が青い!

大豆の茎が青すぎるんです!
くっそーー!これが新品種かよ!
本来なら12月に刈るくらいが丁度いいようです。でも小麦播種が控えているので待っていられません。

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2番のVベルトが焦げてしまいました。
こりゃ駄目だ…

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仕方ないので、1号機と入れ替えて来ましたが、これも詰まりまくり。
1号機は脱穀機がすぐ止まってしまいます。

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ちょうど会社にロータリーの修理に来ていたイセキの工場長に見てもらうと、脱穀機の動力の軸のベアリングが駄目になっていました。
砕けたベアリングのガタで、ベルトのテンションが逃げて脱穀機が止まってしまうようです。

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結局1号機は使い物にならず、2番処理道の詰まる2号機で刈ることになりました。

脱穀機や処理道の異変にすぐに気付けるように、窓を空けて刈ることにしました。
豆が脱穀される音や、ベルトの滑る臭いに留意します。

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トラブル続きではかどらず、30a1枚を刈るのに半日かかってしまいました。

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最後の30aを刈って、なんとか会社の大豆は終了

会社の倉庫に戻ると、1号機の燃料タンクが外されていました。
修理はベアリングの部品待ちになるそうです。

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半日で終わる予定だった豆刈りに、午後2時過ぎまでかかるていたらく。
残りの時間で、大豆あとの溝掘りをします。

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ポツポツと小雨が降ってきました。
予報では、雨は夜からだった筈。豆刈りがもう少し遅れ込んでいたら危ない所でした。


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4時半で、残りの溝掘りも完了。

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新品種の青い豆に苦しめられた1日でした。
無条件に良く乾く圃場を持っていれば、大豆→米→小麦→大豆と回せるそうです。
それならば、新品種の大豆がしっかり色づくまで待つ事も出切るでしょう。
湿田ばかりの我が社の圃場ではそんな事が出来ません。
100人の農家に、100人の事情があります。

国や県や農協が示す道は、そんな中でもマジョリティの為のもの。
少数派の事情は汲んでくれません。

それでも、会社が決めた道を突き進むのが僕の仕事です。

サタデー・モーニング・グローリー

土曜日だけどお仕事です

小麦田の先行耕耘の続き。
残りの面積は1.4haくらいですが、サーフロータリーが故障して普通のロータリーを使っています。
お昼までに終わるかなぁ。

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トラクターが圃場に入るのと当時に、アオサギ達も出勤して来ました。
おつかれ様です。

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30aを耕耘するのに45分……
やっぱり時間がかかるなぁ。

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後輩も小麦播種をスタートさせました。
播種面積は3.5haくらいあるので、1日いっぱいかかるでしょう。

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アオサギ先輩の姿が消えたと思ったら、カラスの群れがやって来ました。

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ゾロゾロとすごい数です。
カラスに恨みはないと言いたい所ですが、あんまり好きな鳥ではありません。

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昔趣味で畑をしていた頃は、こいつらに散々トウモロコシを食べられて腹が立ちました。
会社の育苗ハウスのビニールの上で遊んで穴を空けるのも如何なものでしょうか。

先行耕耘はお昼までに終わりました

思った通り余裕のないスケジュール。
サーフロータリーさえ無事なら10時休憩の時間くらい作れたのに。

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後輩もせっついて播種しています。
生来の慌て者の僕と違い、おっとりマイペースを好む後輩。
ハイペースの播種には結構なストレスを感じている筈です。

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午後からは、僕一人で大豆刈りです

今日は休日出勤なので、人がいません。

残りの大豆は、点在する畑が4枚と転作田が90a。

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刈り取った大豆を受ける人がいません。
畑そばの土場までトラックを運んだら、徒歩で会社に戻りコンバインを持ってきます。

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道なき道を進む汎用コンバイン。
この奥に畑があります。



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痩せっぽっちの砂畑。放棄地にする訳にもいかないので大豆を播いています。

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大豆は、トラクターの播種機で播けて、汎用コンバインで収穫出来るので
取り敢えず放棄畑になるのを回避する目的でよく作られます。
しかし大豆は、機械で作付け収穫出来ると言っても、キチンと管理しようと思うと(米に比べて)手間がかかります。

また、大豆播種のあとに、雑草の発生を抑える除草剤を散布するのですが、これにも問題があります。

散布後、およそ1ヶ月以上も多くの種類の雑草を抑えてくれる大豆用除草剤。
この除草剤は雑草アサガオに効果がないのです。
他の雑草が抑えられた豆畑は、雑草アサガオの独壇場になるのです。

この畑はアサガオにやられました!


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この様に地面を覆うアサガオが、大豆を駆逐してしまいます。
その上、とんでもない種の量。
アサガオは6月から8月までと、発芽期間が非常に長いのも厄介な所です。

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この畑はもう大豆は作れないでしょう。
若社長に相談すると、来年からブロッコリーを作ろうと言われました。
それがいいです。
9月に耕耘・畝立てをするブロッコリーなら、アサガオが蔓延る事はないのです。

畑が刈り終わって、やっと転作田の大豆

この時点でもう3時。
今日で全ての大豆を終わらせるのはとても無理です。

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オーガを伸ばして、そこに自分でトラックをセッティング。
これはこれで、気楽で良いです。

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転作田の1枚を刈り終わる寸前で、詰まるトラブルが頻発。
やや青い大豆の枝が脱穀機で詰まってしまうのです。

このポンコツなコンバインの脱穀機。そこら中緩んでいます。

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トラブルで時間をロス。
結局、転作田30a1枚しか刈れませんでした。

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定時の5時ぴったりに、小麦播種を終えた後輩が帰ってきました。

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「何とか終わりました」
疲れた顔で後輩が笑いました。

これで我が社の『きぬあかり』小麦の播種はすべて終わりました。

あとは、地元と隣町の営農受託の小麦と、大豆あとの『ゆめあかり』小麦。
うわっ…まだ結構あるなぁ…

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