害獣

稲刈り草刈り藁のこし

あさひのゆめ稲刈り2日目です!

早朝に雨に降られました。
大した量では無いものの、葉に滴が残っています。

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稲刈りシーズンに、朝から稲刈りが出来ない時には
ロクな仕事がありません
農家というのは、暇な時間やゆったりした時間を嫌う傾向にあります。
「稲が乾くまで、ゆったりのんびりしましょうや〜」
会社にいるだけで賃金の発生する我々に、そんな発想はありません!

「とりあえず、稲が乾くまでは草取りしてますわ〜」
と言いながら、チームで会社を脱出しました。


今日の稲刈りの1枚目は、蓮根田の隣

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例年ならどうにもならない湿田なのに、今年は非常に乾いていて苦労しませんでした。

まともな雨はもう10日以上降っていません。

こういう年は往々にして稲刈り中盤戦〜後半戦に雨ばかりになるでしょう。

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次の田んぼには入り口に立て札が。

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地主さんからの、長わら残しの要望でした。
良かった!クレームじゃなかった。

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当たり前解説『長わら残し』
通常コンバインで稲刈りすると、刈り取られた稲は脱穀機で籾を削ぎ落とされて、藁はそのままカッターでバラバラに刻まれます。
コンバインには、脱穀した藁を刻まずに長いまま残すモードが付いています。
長わらを畑に使いたい人は、このように稲刈り業者に残して欲しい分の藁を指定します。

ちょっと草の多い田んぼなので、稲を刈りながら大きい草を取っていきます。
刈りながら取れば草のそばにも寄りやすい上に、いちいち田んぼの外まで草を持ち出す必要がないのです。

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次の圃場は、農道にガードレールが立っています。
ここは出入り口のない圃場なので、ガードレールがとんでもなく邪魔です。
HJ6123の車体では、圃場に対して真っ直ぐ入ろうとするとガードレールにぶつかってしまうのです。

結局、斜めに無理矢理コンバインをねじ込みました。

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ラジオで聞いた話ですが、全国的に高齢者が水路に転落して死亡する事故が多く起こっているそうです。
そういう理由があっては、ガードレールを付けるな!とは声高に言えません。

ただ、現在の農業機械はかなり大型化していて、従来の農道でギリギリのサイズ。
それに更にガードレールまで付いてはどうしたものかしら。


地元の『あさひのゆめ』を刈り終え、大型トラックで北に移動

ここは、ブラジル人の後輩のキャッサバ畑の隣の田んぼです。

ブラジル人の後輩のキャッサバ畑については前に書きました↓
後輩が畑に長わらが欲しいと言うので残します。

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どうもこの田んぼには動物の痕跡があります。

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この稲を齧ったような跡はーーおそらくヌートリアだと思うけど、タヌキの可能性もあります。

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稲刈りは外周から行うので、田んぼの中に獣が潜んでいる場合は、獣は内側へ内側へと逃げて行きます。
最終的に最後の1列にまで追い込まれて、コンバインにぶつかってしまう悲劇かがわりとあります

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念の為、最後の1列は気をつけながらゆっくり刈りました。
幸いな事に何もいませんでした。

次の田んぼは、カット野菜工場の隣

夏に、カット野菜工場の冷水が大量に流れ込んで端が枯れてしまったと聞きました。
今朝若社長に
「工場が弁償するって言ってるけど、見ておいてよ。被害が大した事無かったら弁償とか断るからさ。面倒くさいし」
と言われていました。

うーん?枯れて無いぞ?
工場のせいで日照不足で出来も悪いけど枯れてない。

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その次の変形田では、稲刈り最中にお婆ちゃんが走ってきました。
道路側に2列、長わら残してってさ。

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最後に、副社長がマシントラブルで刈り残した田んぼを刈って、本日は終了です。
なんでも、副社長のHJ698の刈り取りのチェーンが切れたそうです。
やっぱり2000hオーバーは何か壊れるか分かんないです。

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僕の師匠である副社長は、古い機械を愛しています。
ロートルな機械を自分で直しながら乗るのが好きなのです。
それは、うちの様な大規模法人からしたら、なかなかの道楽です。

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僕は農機好きでもマニアでもありませんが、何千時間以上も農繁期の苦楽を共にしたトラクターやコンバインは、愛しくて仕方ありません。
ですが彼らは、大規模法人にとっては無情なまでに消耗品。
いつか別れる時が来るのです。










誰がために道はある?

ギリギリの天気のなか、畦畔の除草剤散布にやって来ました


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今年から新たに預かりになった、川沿いのこの田んぼ。

土手の道がとても広くて困ります。
これはどこの草までが、田んぼの管理者の管轄なのか?
とりあえず、ハッキリしないので全面的に除草します。

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田んぼのそばの多くの道が、農道といってそもそも田んぼや畑の為の道路です。
だから、基本的に農作業をしている農業者が優先して使う事が出来る筈なのですが、そんな事は多くの人は知りません。

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多くの人が抜け道に使ったり、生活道路にしています。
だから、農道を専有して作業していると、見知らぬ人に
「通れないだろ!どかせ!」
と怒られる事もしばしばあります。

これは、仕方ない事です

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特に愛知県西部の田んぼは、ほとんどが僕らのような稲作請負業者が耕作をしています。
業者として仕事をする上で、利益にならないトラブルは避けるのが1番です。
だからなるべく、農道を塞がない形で仕事をします。
どうしても農道を専有する場合は、車が来たらすぐ退かせるように気を付けています。


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ただ、こういう畦畔除草等の仕事には、軽トラの方が便利だなぁと思う時が多くあります。
上の写真の様な道でも、軽トラなら道路を塞がずに停める事が出来るからです。

我が社のトラックは、ほとんどが2トントラックです。
我が社に限らず、同規模の稲作法人は皆2トントラックを使っています。

2トントラックなら田植え用の苗も、苗枠に入れて200枚積めます。
稲刈りで籾を運ぶ時にも、フレキシブルコンテナで3本積めます。
これは、およそ30aの圃場の稲刈りした分の籾です。

※小麦刈りの画像です

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僕の地域で効率的に8条田植え機6条コンバインを運用するには、2トントラックが必要なのです。

我が社は、無駄に常時6台の2トントラックを所有していて、大体農閑期は2台くらい車庫の奥でホコリをかぶっています。

およそ、大型トラクターでやるべきでないサイズの圃場を、大型トラクターで作業するのと同様です。
軽トラで事足りる管理作業も、2トントラックを使うしかないのです。


所変わって、隣の市の餅米圃場へ移動しました

これはひどい!

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無数の足跡。ヌートリアの仕業です。
今年は例年よりもヌートリアとジャンボタニシの害が多く感じます。

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ちょっとこれは看過出来ないなぁ。近いうちになんとかしないと。

最後に寄った直播田は、水がカリカリに干上がってしまっています

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理由は簡単。水路の上流で、水を完璧にせき止められているからです。

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この地区は、週に2日しか水が来ません。
その2日しか来ない水を、全て自分の圃場に入れて下流に流さない上の田んぼの人。
まぁよくある話です。

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大規模農家なんて立派な言葉で表される我が社も、とても上手く回ってるとは言い難い現実。
田植え以来、目の届いていない圃場の多いこと多いこと。


本音で言えば、たった数人で100haの田んぼの面倒を見るなんて不可能なんです。
田んぼの中に草も生やしてしまうし、カリカリに水も切らしてしまいます。

日本の田んぼは、地域によってあまりにも多種多様です。
僕が関わる3市町村だけでも、色んな圃場があります。

大規模・スマート化の農業

世間で叫ばれるそんな甘い言葉も、矛盾だらけの現場にいる僕には、遠い世界の話です。












沼狸(しょうり)の法則

農協のガソリンスタンド、JASSにやって来ました


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携行缶にガソリンを買いに来たのです

最近はセルフスタンドが多くなって、携行缶にガソリンを買うのもひと苦労です。
セルフスタンドでは、携行缶にガソリンは売ってくれません。

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管理機(耕耘機)・草刈り機・動力散布機・動力噴霧機・

ガソリン携行缶から給油が必要な道具は、農業には沢山あります。

フルサービスのスタンドが、どんどんセルフスタンドになっていく中、JASSは最後の砦です。高いけど。


今日も、梅雨の晴れ間に畦畔の除草剤散布です

今にも降り出しそうな空でも、夕方まで保つ予報。

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この地域一帯は、水の入り口と出口が共用です。

用水をせき止めて水位を上げて、田んぼの水を一括で管理します。
用水の水位がそのまま、田んぼの水位になるのです。

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これはとても厄介です。水の出し入れを、個人ではどうする事も出来ないのです。
水が入り過ぎる低い田んぼの水は抜けないし
水が入りにくい高い田んぼには、全然水が入りません


ここらの田んぼは、そんな水の都合もあってか、隣同士を畦で区切られていない圃場が多く存在します。

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そういった分かりにくい境界の圃場

せめて境界杭はしっかり刺しておいて欲しいところですが、これがとんでもなくテキトー!


この境界杭は鉄の棒

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この境界杭は、アルミサッシの廃材

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これは多分、ハウスの骨の廃材

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これは元々、杭代わりに土管が埋まってました。
分かりにくいので、我が社がその上からポールを刺しました。

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杭で区切られた圃場が違うお客さん同士なら、稲刈りなども別々に刈り取らなければいけません。
だからオペレーターはいい加減な杭でも、境界をしっかり把握して覚えています。


ふと田んぼ隣の、松の植木畑に獣の影が見えました


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ふてぶてしい水辺のげっ歯類、ヌートリアです。

人間にも慣れたもので、こちらを見てもすぐには逃げません。

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どんな病気を持ってるとも知れないし、何より指を噛みちぎるくらいの歯を持っていると言います。
無防備でお近付きになるのは避けたい動物です。

この地区を終えて次の圃場に行くと、ちょうどヌートリアの食害にあった田んぼがありました

やってくれたなこん畜生ー!

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田んぼの隣には沼があります。

ヌートリアは日本語で沼狸(しょうり)と呼ぶらしいです。

ヌートリアは、水辺を拠点にして生息し、周りの稲を食い漁ります。
昔は結構な被害がありましたが、僕の地域では最近はめっきり数が減りました。

環境の変化なのか、それとも他の外来種との強豪に負けているのか。

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数年前にこの圃場で、何頭か罠で捕獲して市役所に持っていきました。
それ以来、被害は無かったのですが、新たに棲み着いたようです。

稲なんか食べずに、草を食べてくれよ!


5時間際になって、ポツリポツリと雨が降り始めました。
およそ予報通りです。

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3時以降に散布した除草剤は、諦めなくてはいけないでしょう。
明日にはまとまった雨が降るそう。
大豆が雨に沈んじゃう。あんまり振らないで欲しいなぁ。













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